司法書士事務所で働いてみよう〜MAPを頭に入れよう〜
こんにちは。
中村司法書士事務所の上野功二です。
前回に引き続き、司法書士事務所で実際に働いてみたい方(主に司法書士受
験生が対象となると思います)に向けた情報を発信していきたいと思います。
前回は、司法書士事務所で勤務する場合の大前提、「守秘義務(秘密保持義
務)」についてご紹介させていただきました。
さて、今回は、司法書士事務所における「MAP(=全体像)」を把握するこ
との重要性についてご紹介させていただきます。
これは司法書士事務所に限った話ではなく、仕事全般や試験勉強などにも応
用が効くので、ご参考にしていただければと思います。
司法書士事務所における登記業務の流れ(事務所によって多少異なります
が)は、概ね以下のとおりとなります。
1.お客様よりご依頼
↓
2.事案調査・ヒアリング(必要事項)
↓
3.お見積り・ご用意いただく書類のご案内
↓
4.登記書類作成
↓
5.契約(決済手続)の立会の準備
※決済立会業務(不動産売買、金銭消費貸借契約等)の場合
↓
6.契約(決済手続)の立会
※決済立会業務(不動産売買、金銭消費貸借契約等)の場合
↓
7.登記申請
↓
8.事件管理
↓
9.登記完了
↓
10.お客様への納品物の作成(完了後の登記事項証明書等)
↓
11.納品・お預り物のご返却
なぜ、このMAPを把握する必要があるのか、、、
それは、「自分が今遂行している業務が、全体の中のどこに位置付けら
れているか」を知ることにより、「役割(使命)・趣旨」がより明確に
なるからです。
例えば、我々司法書士は、登記申請をする当日の朝一番(午前8時30
分)に必ず、最新の登記事項証明書を取得し、申請する登記の妨げとな
るものが登記されていないかをチェックします。
(正確には、登記情報提供サービスを利用して、オンライン上で確認し
ます。)
私たちは「当日謄本取得」と呼んでいます。
この当日謄本取得につき、MAPが頭に入っていると、、
「このあと大事な登記申請が控えているんだぞ!」
「妨げとなる登記が入っていないか確認しなくちゃ!」
「急いで取得しないと!」
などと、その重要性や緊急性、取得の趣旨が自ずと分かります。
「当日謄本を取得する」こと自体は、正直、誰でもできます。
(司法書士事務所で勤務をすると、まず最初に覚えるべき仕事です。)
ただ、MAPが頭に入っていないと、取得できたとしても、意味をなさ
ない可能性が高いのです。
これは、仕事全般や試験勉強などにも当てはまることで、
「優先度の低い業務を先行してしまう、、」
「配点が低い科目に全力投球してしまう、、」
など、「木を見て森を見ず」の状態では、一つ一つの行動の意義が薄れて
しまうのですね。
司法書士事務所で勤務を始められる方は、まず基本業務のMAP(=全体像)
を覚えることからスタートしていただければ、一つ一つの業務に意味が付
与され、定着も早いのではないかと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。