司法書士ってどんなお仕事をするの? その2 〜マイホーム購入編〜
こんにちは!中村司法書士事務所スタッフの今井です
前回の今井ブログ「その1」では、世間にあまり知られていない司法書士のお仕事について、皆様にお目にかかる機会を例に取って1〜8に分けてざっくりとご説明させていただきました。
ただ、読まれた方の中には、もうマイホーム購入は済んでいるし、ローンの借り換えもしたけど、誰が司法書士でどこで関わったのかは気づかないまま、手続きは終わってしまった・・と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか
そこで、先日ご説明させていただいた司法書士のお仕事1〜8をさらに掘り下げ、個々の事例の中で司法書士が登場する場面を細か〜くお話したいと思います
1.念願のマイホームを購入した!
分譲マンション、建売住宅(土地・建物セットで買う場合)、注文住宅(土地から購入し建物を建てる場合)などマイホームを購入しようとするときは、まずは住みたい町の不動産屋(不動産仲介業者)に出向き、予算や希望に合った土地・建物(物件)を探しますよね。
「これだ!」という物件に出会ったら、頭金を準備して、不動産屋の応接室などで売主さんと売買契約を結ぶため、契約書に署名・押印をして、手付金(頭金)を支払います。
その後、買主さんが不動産の購入資金について銀行から融資を受ける場合は、融資を受ける予定の銀行で、お金を借りるための契約(金銭消費貸借契約)をします。
ここまでで、買主さんはかなりの量の契約書類にご自分の住所と名前を書き、印鑑を押すことになります。だんだんと、ご自分がどんな内容の書類に署名・押印をしたのか分からなくなってきてしまう方もいらっしゃるかもしれません
しかし・・書類への署名・押印作業はまだ続きます!
不動産の購入手続きの最終段階(最後のビッグイベント)として、銀行の応接室に買主・売主・双方の不動産仲介業者・司法書士が一堂に会する日があり、これを「立会日」とか「決済日」とか言ったりします。
この日は、買主さんが銀行から実際に融資を受けて、その中から売買代金の残金を支払ったり、売主さんとの間で固定資産税の清算を行ったり、鍵の引き渡しなどを行ったりする日で、買主さんにとってはマイホーム購入の記念日となる日です。
立会日には司法書士が同席し、登記手続きの内容を説明した後、買主さん・売主さんから、登記に必要な書類(司法書士への委任状など)へ、またまた署名・押印をもらい、同時に印鑑証明書や住民票などの証明書も預かります。
買主さんにとっては、「また、住所・名前を書くのか・・・」と、内心うんざりしてしまうかもしれませんが、これが最後のヤマです!
立会の場での司法書士の役目は、登記を申請するための全ての書類がきちっと揃っているか、署名や印鑑の間違え、誤字脱字、証明書の不足を含め、登記が出来なくなるような不備は一切無い状態かをチェックすることです。
このチェックがとっても緊張する場面です。
書類チェックに一生懸命になり過ぎると、応接の雰囲気もピリピリしてしまうほどです。チェックに集中しながらも、買主さんとってはマイホーム購入の記念日というおめでたい日ですので、穏やかな雰囲気作りも司法書士の腕の見せ所です!
さて、書類も全て整ったところで、司法書士が銀行の担当者へ一声・・・
「実行をお願いします!」
・・・と伝えると、買主さんへの融資が実際に実行されます(何千万円という資金が一気に口座へ振り込まれます)。時間的には小一時間かかる時もあります。
・・・皆さん・・・お気付きでしょうか
買主さんへの融資実行は、司法書士の「実行をお願いします!」とのGOサインが無ければ、実現しないのです銀行にとっては、司法書士のGOサインを信用して、何千万円というお金を買主さんに貸すのですから、司法書士が先ほどピリピリと緊張のオーラを発しながら書類をチェックするのもご理解いただけるかもしれませんね
無事、買主さんへの融資が実行され、買主さんは、振り込まれた資金から、売主さんへの残金の支払い、不動産仲介業者への仲介手数料の支払いを済ませ、それぞれ領収書のやり取りが終わると、司法書士が、「本日はおめでとうございます。これから法務局へ登記を申請させて頂きます。」と〆て、立会は終了となります。
このように、不動産購入の手続きは、とにかくいろんな書類に住所・名前を書き、押印も必要になるため、最後のビッグイベントに登場する司法書士のイメージも、山ほどの書類を書かされる手続きの一部・・・程度の印象で終わってしまうのも無理はありません
しかし、手続き後も、「あの時登記を担当してくれた司法書士」として私たちを記憶に残してもらうためには、立会の場での雰囲気づくりも大切である・・ということをつねづね感じています。
登記の小ネタなどを話してみたり、時事ネタで場を盛り上げられる司法書士、立会の流れを読んで先回りして朱肉や印鑑マット・印鑑拭き・振込伝票を準備できる司法書士は、気の利く司法書士として記憶にとどめてもらえるかもしれませんね
私自身もそうなりたいと日々精進しているつもりではありますが、何せ、場数を踏むことも重要で、新米の司法書士はなかなかそう簡単には行きません・・
これから、マイホームを買われる又は不動産を売りたいと考えている方へ・・
慣れない新米司法書士が、銀行の応接室でうまく場を和ませることが出来ないでいる場合もあるかもしれませんが、この場を借りて、暖かく見守っていただけると幸いです!もちろん、私たちも、立会の場が買主さん売主さんにとって素敵な思い出になるよう、日々精進するよう努力していきたいと思います
本日は長編ブログをお読みいただきありがとうございました
それでは、続きは、今井ブログその3で・・