司法書士事務所における実務が受験勉強に与える影響(その2)

2019.10.14 Monday 10:00
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    こんにちは。

    中村司法書士事務所の高見です。

     

     

    引き続き実務が受験勉強に与える影響をテーマに書かせていただきます。

     

     

    前回は、実務を経験することにより『情報を正確に読み解く力・物事を能動的に考える力が身に付く』ということを書かせていただきました。

     

     

    今回からは具体的な事例を基に書かせていただきます。

    (なお、事例は個人情報保護等の観点から、実際のものとは同一ではありませんのでご了承ください。)

     

     

    例1)相続人の判定(相続登記)

    相続に関する登記は実務においてとても多く、一回のブログでは書ききれないほどたくさんの論点があります。

     

     

    今回は亡くなられた方の相続人判定に関して取り上げたいと思います。

     

     

    記述式試験において、相続人が誰かという判断ミスをするといわゆる枠ズレが生じたり、登記の申請内容が変わってきたりするため合格が危うくなります。

    また、当然実務においても、誰が相続人になるかという実体の判断は絶対に間違えられません。

     

     

    例えば、下記のようにご依頼者様(50代)の御家族が亡くなられたとご相談があり、お父様所有の不動産の相続登記の御依頼を受けたとします。

     

     

    ()内の番号はお亡くなりになった順番です。

     

     

    父(◆法∧譟吻)、長男( 配偶者・御子息なし)、二男(ぁ配偶者・御子息なし)、三男(ご依頼者)

     

     

     

     

     

    前回の繰り返しになりますが、試験においては、解答に必要な情報は全て与えられ、かつ正確であることが前提です。すなわち設問文や聴取内容、事実関係に関する補足、別紙などに解答に必要な情報は全て書かれているはずです。

     

     

    しかし、実務においては実体判断、手続判断に必要な情報を能動的にピックアップする必要があり、しかも聴取した内容が必ずしも正しいとは限らないため、しっかりエビデンスを収集することが大切です。

     

     

    今回の事例ですと、被相続人の出生から死亡までの戸籍の調査を終えるまでは相続人を確定させることはできません。

     

     

    また、見落としがちですが、兄弟姉妹の相続に関しては、二男にお子様(養子含む)がいらっしゃらない場合は、父母の父母(つまりご依頼者から見て祖父母)が存命か否かの確認が必要です。

     

     

    もし存命だった場合はその祖父母様が相続人となるからです。

    (人生100年時代と言われる現代では、100歳を超えてもご存命の方が珍しくなくなってきましたので注意が必要です。)

     

     

    これらの戸籍を注意深く読み込んで、相続人となるべき方を特定し、さらにそれらの方の現在戸籍で生存を確認してようやく相続人確定となります。

     

     

    上記戸籍は相続登記申請の添付書類となっており、実務を経験することで、自信を持って誰の戸籍を何のために添付するのか答えられるようになります。

     

     

    また、“祖父母様がご存命かもしれない”という仮説を自ら立てて検討しなければならないので、能動的に考える力が身につきます。

     

     

    受け身で業務に当たると漏れが生じてしまいますので引き続き能動的に取り組んで参ります。

     

     

    今回は以上となります。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

     

     

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