自筆遺言証書の検認について

2019.09.23 Monday 10:00
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    おはようございます。

    中村司法書士事務所の南です。

     

     

    去年5月に不審死をした『紀州のドン・ファン』と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家の方が、「全財産を市へキフする」という自筆証書遺言を残していたことがわかったそうで、裁判所で遺言の検認を終えたようですが、それに対して奥様以外の遺族の方が遺言書の「無効」を求める申立書を裁判所に提出したと、昨日テレビで放送されていました。

     

     

    さて、遺言の検認とは、そもそもどういったことをするのでしょうか。

     

     

    遺言の検認とは、遺言が有効か無効か判断する手続きではなく、相続人に対して、遺言の存在とその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など、検認の日現在に置ける遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防ぐための証拠保全手続きです。遺言が有効か無効かを判断するものではありません。

     

    ちなみに公正証書遺言の場合は検認は不要です。

     

     

     

    検認は、遺言者の死亡当時の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。

     

     

    検認手続きに必要なものは・・・

     

     

    ・自筆の遺言

     

    ・家事審判申立書(裁判所のウェブサイトからダウンロードすることができます)

     

    ・戸籍謄本

     

     

     【共通】

     

      ・ 遺言者の出生時から死亡時までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

     

      ・ 相続人全員の現在戸籍謄本(3ヶ月以内のもの)

     

      ・ 遺言者の子(及び代襲者)で死亡している人がいる場合は、その者の出生時から死亡時までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

     

     

     【相続人が遺言者の(配偶者と)父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)の場合】

     

      ・ 遺言者の直系尊属(相続人と同じ代及び下の代の直系尊属に限る(例:相続人が祖母の場合,父母と祖父))で死亡している人がいる場合、その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

     

     

     【相続人が不存在の場合、遺言者の配偶者のみの場合、又は遺言者の(配偶者と)の兄弟姉妹及びその代襲者(おいめい)(第三順位相続人)の場合】

     

      ・ 遺言者の父母の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

     

      ・ 遺言者の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

     

      ・遺言者の兄弟姉妹に死亡している人がいる場合、その兄弟姉妹の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

     

      ・ 代襲者としてのおいめいに死亡している人がいる場合、そのおい又はめいの死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

     

     

     

    詳しくは裁判所のホームページをご覧ください。

     

    遺言書の検認(←クリック)

     

     

     

    そして、遺言が有効か無効かは・・・

    遺言が無効と考えている相続人が、家庭裁判所に遺言無効確認調停に申し立てし、話し合いで解決しない場合は、遺言の無効を主張する相続人が原告となり、遺言の有効を主張する相続人を被告として、地方裁判所に遺言無効確認訟訴を提起し、判決で有効か無効かを確定することになります。尚、遺言執行者が指定されている場合は、遺言執行者を被告とします。

     

     

    自筆証書遺言は以下の条件が揃わなければ有効な遺言書とされません。

     

    すべてが自書である

     

    署名押印がある

     

    日付が記載されている。

     

    修正されている場合、様式に従って修正されている。

     

     

    また遺言者が認知症や判断能力の低下がある場合「遺言能力」が無ければ、その遺言書は無効となります。

     

     

    いま話題になっている和歌山県田辺市の資産家の方の遺言が有効だった場合、奥様には1/2の遺留分があるので、たとえ遺言書に「全財産を市に寄付(遺贈)する」と書いてあったとしも、遺留分請求すれば財産の半分の遺留分が認められますが、無効の申し立てをしている遺族の方々には、遺留分がないため請求はできません。

    果たして、今後の展開はどうなるのでしょうか・・・

     

    次回のブログで、相続人の遺留分について、もっと掘り下げて書きたいと思います。

     

     

    遺言などのご相談がございましたら、お気軽に弊所までお問い合わせください。

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